DDR2の系譜、MicronとPrescott

今回は、『時代のエース』の続きです。

 

DDR2の雄、Micron(大チップMicronに関しては長くなるので、今回は前編ということで。

なぜ?大チップと表記するかというと、後期は小チップに移行したから。

Micron(大チップ)と密接な関係にあったPentiumのPrescottも併せて、たわ言を書いていこうと思います。

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前にも触れましたが、私は昔話を公でほとんどしたがらない人間です。

最近、ちょこちょこ書くようになったのには理由があります。

それは、最近のマザーを含めシステム自体が凄く完成されていて、常用に使えるようなセッティングからWRを狙えるようなカリカリチューニングまで、ほとんど手もかからずマニュアル通りに設定すれば容易に最速マシンを構築出来る時代のせいでもあります。

非常に喜ばしい事で私もそれはそれで楽しまさせてもらってますが、逆に困った問題も浮上してきます。

まあ、書ききれないほどあるのですが…今回はメモリの記事という事で、メモリに話題を絞っても問題はいっぱいあるわけです。

 

最近のメモリの主流はsamsungで、大昔から一番手のかからないチップと言われています。

ですが..たとえばこの先、いつまでもsamsungチップの天下が続くとは限りません。

時代が変わった時、または急に別のメモリで戦わなければいけなくなった時に、そのチップの特性すら知らず破壊してしまったり、上手く動かせなくて放置 → OCや自作から引退…というケースに陥らない為の予防策としても、こういう昔の情報は役に立つ事もあるだろうと考えてます。

 

そうやって試行錯誤して自分で廻し方を見つけていくのがOCの醍醐味じゃん!そんな理由で辞めていく奴とかいるの?と疑問に思われる方もいるかと思いますが、今までの経験からいくと結局はそこが原因で消えていくOCer(オーバークロッカー)が一番多かったのも事実です。

楽な時代に入るとその分、苦労する楽しみを見つけられないまま終わってしまうのです。

 

所詮、たかが趣味ですから、他人がやろうが止めようが私は知ったこっちゃありませんが(笑)

 

しかし、そんな理由でせっかく始めたOCがつまらなくなるのは非常に残念に思います。

 

Micron(大チップ)

前置きは長めですが、表題のマイクロンです。

 

メモリが競技に重要視されだした世代でMicronに脚光が当たっていたのはDDR2世代全般でしょう。

DDR1で天下を獲ったWinbondチップの時代が終わり次に来たのがMicronチップでした。

性能は上がったものの倍率制限付きCPUやマザーボードのFSBとの関係もあり、DDR1時代に比べてより高クロック動作が求められるようになりました。

ようやく競技の世界でも非同期という言葉が主流になった時代です。

この頃のOC競技の世界では、CPUはPentiumのPrescottの時代に各当します。

 

あの超爆熱で悪名高きINTELの黒歴史チップです。

 

ベンチマークの世界も、スコアを出すためにはとにかくCPUのインターナルクロックを上げないと勝てない時期ですから、世界中で皆さんやっけになってCPUのクロックを上げる事が最優先でしたね。

そしてこのPrescottというCPUは今とは大違いで、どんなハズレ石でもOCマージンが半分?いやそれ以上?残ってるという、非常に夢のあるCPUでもありました。

ですので、今のように簡単にCPUのマージンを使い切り、簡単に良いCPUの選別が出来るOCスタイルではありません。

ほとんどの人が発熱と消費電力に追いつけない冷却システムやマザーボードが足を引っ張り、その膨大なマージンを使い切る事が出来ないでいました。

いかに冷やすか?いかに効率よく動かしてマージンを使い切るか?の技術が必要不可欠になりました。

石、板、メモリ全部連動してますから、メモリが廻らないと石の選別も出来なかったわけです。

私も非常に苦労しましたが、なんとかClockもパイも前人未到なWRを樹立できました。

確か…最終的には7657MHzくらい廻して、少し下でパイを焼いていたと記憶してます。HWbotを見ても、皆さん、Prescottでは7Gがやっとな感じですのでまだ抜かれてはいないようです。

 

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 @see http://www.xtremesystems.org/forums/showthread.php?82284-New-WR-P4-670-7-533G&highlight=duck+670

 

最終的なSSが今、手元にないのでアレですが(笑)どっかにあるでしょう。

 

Memory : CORSAIR PC2-5400UL 512MBx2
Timings : 4:5 CL4-2-3-4-2… D-E Turbo
voltage : Vcore1.98v Vmch 1.70 Vddr 2.47v Vio 3.66v

 

高電圧型チップ

CORSAIR XMS-2(大Micronチップ)

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このMicronチップですがとにかく高電圧を好み、そのおかげでPrescottに負けないくらい爆熱です。とにかく冷やさないといけない代名詞とも言えるメモリチップです。

現在も特性は大きく変わってないでしょう。

しかも、意外に冷えにも弱いというクセものでした。ドラやLN2で冷やすと冷やしすぎというワケですね、P5WD2のメモリスロットが歪みに弱かったせいもありますが。

 

この頃メモリはマザーボードのNorthbridgeと密接な関係にあったわけですが、Northbridgeの冷却具合でメモリのクロック&レイテンシも大幅に変化していました。

この辺は最近のIMCとメモリの関係に近いと考えていただけたら分かりやすいです。

 

特性

この頃のMicronチップの特性は大きく分けて3パターンあり、

 

1.爆熱で冷やせば耐性UPするが、温度が零下に落ちると耐性がおちてしまう。つまり0℃から室温の範囲で適温を探す。

 

2.爆熱で冷やせば耐性UPするが、冷やせる下限が決まっていてマイナス80度前後くらい。CBBも酷い。

 

3.爆熱で冷やせば耐性UPするし、冷やす下限もなくガンガン冷やせる。ただしCBBは酷い。

 

で・・・高電圧型ならではの死亡率高し(笑)

 

DDR2初期の大Micronチップの高耐性モノは1のパターンが多く、まれに2のパターンがあるといった割合でした。

電圧への反応はおもいっきり冷やせない特性もあってか、メモリ電圧のスイートスポットは結構大きめで楽でしたが、その分、大元の3.3vラインの大幅な強化が必要で、そちらのModの良し悪しの方がメモリ耐性に影響は大きかったですね。

 

今はマザーボードの進化でそこら辺は心配しなくていいでしょう。

電圧にはルーズなイメージがありますが、発熱多い分、冷却にはシビアで空冷でも窒素でもメモリ冷却の基本となる要素がいっぱい詰まったチップといえるでしょうね。

そして、ここからが本番とも言えるDDR2世代の後期に移行していくわけです。

それに伴いMicronも大きなチップのモデルチェンジを遂げて扱い方も大きく変わっていきます。

 

なんか・・samsungが終わるかも?みたいに誤解されそうな記事でしたが、大丈夫です。

次のKabyLakeも、引き続きBdieの時代は続きますのでご安心を(笑)

 

では、続きは後半で!

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