外付けSSDでKali 2025.2をLIFEBOOKから起動するまでの難航記

外付けSSDでKali 2025.2をLIFEBOOKから起動するまでの難航記

Ndictです。

みなさんは、Kaliを何で動かしていますか?
VirtualBoxやVMwareWorkstationPlayerでしょうか。
私はLIFEBOOKの内蔵容量が心もとない上に、Kaliの「everything」構成はツール全部入りでサイズも大きいです。
さらに、調査用に扱うパスワード帳はどうしても肥大化していくものなので、仮想環境よりSSD単位で分けて運用する方が整理もしやすいと思いました。

趣味でKingstonの外付けSSDを複数持ち歩いており、そこに各種Linuxディストリビューションを入れて、富士通LIFEBOOK(FMVU4902E)で使っています。
今回は、Kaliを外付けSSDに入れて、必要なときにLIFEBOOKで起動できるようにする、という話です。
ところが、これが想像以上に難航しました。
備忘録として、起きたことと最終的な解決策を整理します。

環境と前提

    • 機種:富士通LIFEBOOKFMVU4902E(UEFI専用機)
    • 目的:KaliLinuxを外付けSSDからUEFIブート
    • インストーラ:Rufusで作成(GPT/UEFI)
    • BIOS設定:SecureBootは事前にOFFFastBootを無効化CSM/Legacy項目は見当たらず
    • 外付けSSD:Kingston125GB・256GBを複数運用

まずやったこと(そして失敗)

通常インストール→失敗

Rufusで通常どおりインストールUSBを作り、インストーラを進めましたが、終盤で失敗しました

SecureBootはあらかじめ無効化。
加えてBIOSでFastBootを無効化
ただし、本機はCSM/Legacyが存在せず、互換モードへの切り替えはできません。
インストールの最後あたりで失敗したため、先にGRUBを入れてみる発想も試しましたが、こちらもGRUBインストールで失敗しました。

そのほか試したこと(いずれも未解決)

  • USBメディアの作り直し(同ISOをRufus/balenaEtcherで再フラッシュ)
  • インストーラ起動時にGRUBを一時編集e→linux行にipv6.disable=1を付与→Ctrl+XまたはF10で起動)
  • パッケージ選択を極小化(最小構成での導入)

どれも決定打にならず、LIFEBOOK本体からのインストールは一旦撤退しました。


方針転換:別PCでインストール→でもLIFEBOOKでは起動せず

別PC(デスクトップ)にSSDを直挿ししてKaliをフルインストールしました
導入自体は問題ありませんでした。
ところが、SSDを外付けケースに入れてLIFEBOOK側でF12ブートメニューから選ぼうとしても、UEFIの起動候補にドライブが出てこない、または選んでも起動しない事象に遭遇しました。

ここまでで見えてきたのは、OSの中身ではなくUEFIの起動経路(ESP/ブートローダ)側の問題ということです。


環境と前提

UEFIマシンは、外部デバイスなどNVRAMエントリがなくても規定のフォールバックパスを探索します。
具体的には\\EFI\\BOOT\\BOOTX64.EFIです。
ここにGRUBのEFIバイナリを置き、最小のgrub.cfgを添えれば起動できます。
実際に下記の手順でLIFEBOOKでも起動成功しました。

注意:以下の操作は、EFIシステムパーティション(ESP)を直接編集します。DiskPartの対象ディスク/パーティションは、必ず確認してください。

まずやったこと(そして失敗)

  1. WindowsでESPにドライブレターを付与(DiskPart)
  2. GRUBのEFIをフォールバック位置にコピー
  3. 最小のgrub.cfgを配置
  4. 安全に取り外してLIFEBOOKで起動
    • mountvol S: /dでESPのマウントを解除してから取り外し
    • LIFEBOOKのF12ブートメニュー→外付けSSD(UEFI)を選択→Kali起動成功

なぜこれで動くのか

  • 外部デバイスのUEFIブートではNVRAMエントリがなくても\\EFI\\BOOT\\BOOTX64.EFIを探索する仕様があるため、ここにGRUBを置けば読み込みます。
  • grub.cfg既存の/boot/grub/grub.cfgに委譲するだけの最小構成でいけます。

通常インストール→失敗

  • CSM/Legacyがない:互換モードに逃げられないため、UEFI一択で整える必要がある。
  • FastBootの影響:一部のデバイス初期化が省略され、起動メディアが認識されにくいことがある。無効化して正解
  • インストール終盤の失敗:インストーラのネットワークやパッケージ取得の不調がGRUB導入失敗を誘発することがある。今回は、別PCで完走+フォールバック構成が早かった。

おわりに

最終的には、UEFIのフォールバックパスを使って起動経路を固定することで解決しました。
また、Kaliを外付けSSDで持ち歩く、という当初の目的は達成できました。
LIFEBOOKのように、CSM/Legacyを持たないUEFI専用機では、このアプローチがシンプルで確実だと思います。
この記事が同じ状況の方の助けになれば幸いです。

外付けSSDでKali 2025.2をLIFEBOOKから起動するまでの難航記
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