囚人のジレンマから考える経営


お世話になります。カトーです。猛暑が続きますが相変わらず外回りが避けられないので、”サウナに無料で入れるのだから得だ!”と脳内変換している日々です。夜は夕涼みで新川の深夜食堂でホッピーをセットから中々のコンボしております。

 

それはそうとして”熱い”といえば、”eスポーツ”。

 

弊社もゲーム会場のインフラ構築の仕事なども行ってたりします。記事として経営的なことも書こうと思いますが、ゲームつながりで記事ってなるとやはり”ゲーム理論”ではないでしょうか?今回経営の立場から有名な囚人のジレンマを解説してみたいと思いますよ。

え?FPSじゃないのか?と言われそうですが、FPSは戦略というより瞬発力なのでAIM記事は無理です。ちなみに昔になりますが、ストラテジーゲームのエンパイアアースでは単独プレイだと直ぐにメトスと名乗る方です。

 

 

 

戦略ゲームの基本「囚人のジレンマ」


当然ですが、ゲームでは勝つために参加するプレーヤーがどういった戦略で利得を確保するかが重要になります。もちろん会社の経営もそうでしょうね。

その中で有名な”囚人のジレンマ”というのがあります。

 

※わかりやすいように現在日本司法的な状況に意訳しています。

過去に重い罪を犯した共犯容疑の2名(A、B)が、別件逮捕で取り調べ中。
検察は2人が過去の重罪の容疑者とみているが自白以外の証拠がない状況。
そこで、検察は2人を別々の部屋に隔離して取り調べを開始し、それぞれの容疑者に司法取引を持ちかける。

「もし相手が黙秘して君だけ自白すれば過去容疑は問わず、今回の逮捕も起訴を見送ります。ふたりとも自白してくれれば過去の重罪は刑期は半分にします」

今回の別件逮捕は懲役1年程度の罪、過去の罪は懲役10年程度。お互いが黙秘していれば懲役1年で済む。検察の誘導に乗って自白し、相手が黙秘していれば自分は不起訴。相手は懲役10年。

逆に相手が自白して自分が黙秘していれば自分は10年の懲役を受ける。さらに二人とも自白してくれるなら刑期は半分で5年の懲役するという。

この時、自分が容疑者ならばどのような行動を取るのが最善か?

 

この「囚人のジレンマ」は犯罪を犯した容疑者だけでなく、たとえば生産会社で競合するB社と値引きの事態になって時や、同じサービスを提供している会社同士の戦略としても、ある意味ランチェスター戦略なみに有名な戦略の例えとして聞くことも多いと思います。

 

 

 

実際に「囚人のジレンマ」を分析してみる。

文面を図にするこんな感じになります。「いや、信頼関係で二人と黙秘だろ!」というかもしれませんが、ここでは人間の泥臭さはなしで利得だけの戦略の話になりますのでご了承を。

で、よく分からないので利得を数値に置き換えてみます。

 

 


そうすると罰として受ける年数を数値化すると、双方-1か-10、裏切れると確定している状況だけ0になります。本当なら二人とも黙秘を選択すればいいのですが、ゲーム・戦略と考えると自分が黙秘をしていて相手が裏切った場合、逆にマイナス10という状況になり、お互い自白すれば5年で済みます。

 

 

 

解決というかジレンマの答え

 

この内容はゲーム理論の専門家が詳しく解説してるページがありますので結論を図にするとこうなります。ゲームですので当然裏切りもありますのが、「どう転んでも損得が確定できる以上に選ぶ」という事になるのでしょう。世知辛いですがゲーム理論ですとこうなります。

弁護士通じて双方黙秘にすればいいじゃないか?という意見もでますが、これは下で説明しますが「談合・交渉」なります。

 

実際に経営、製品で考えてみよう

では実際のIT業界……UTMで考えてみます。

F社、J社がそれぞれUTMを販売しています。規模・機能は多少が違いますが消費者目線から見ればほぼ同じ機能・同じ値段です。OSのアップデート・保守切れのタイミングで販売キャンページを狙っています。一度導入したらそうそう乗り換えがない製品ですので、利益も確保しなければなりません。どのような価格維持・値引きを行うべきでしょうか?

 

この答えは実際に図にすればいいのですが、どのバージョン製品を何%値下げするのか?という細かくなるので触れませんが、結論から書くと足並みをそろえて値引きするしかないとなります。

え?そんな事ないのでは?と考えるかもしれませんが、身近でも牛丼店が同時期に値引きや大手ガソリンスタンドの値引きなどもみた事があると思います。

「他店より1円でも高ければ値引きします」というキャッチフレーズもギリギリのジレンマ対応でもあります。

ちなみにIT業界だとイニシャルを安くして月々の保守にのっけるというのもありますので、なんともいえませんが……。

 

 

 

囚人のジレンマに巻き込まれない方法はないのか。

実際に現実問題でもアンチウィルスソフトでもストレージやサーバでもどうような事は起きているし、身近ではガソリンスタンドやスーパー、家電量販店、ネットショップでも起きていて易々と回避は難しく、裏切らないような組合、談合など問題になることはニュースでも見かけます。

どの専門家も「解決方法はやはり話し合いや情報・交渉が必要になります。裏切りより利益がある(値引きより利益)、明確に罰が下るなど…」という名言を残しています。なので業界で値引きが発生した製品や項目については当然資本金も含めて体力のある会社が消耗戦で生き残るかどこかで交渉という形になります。

ちなみに弊社では業界的にバンバン値引き発生するものを扱うのは極力さけるようにしようと心に決めています。

 

 

 

 

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